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前回のブログでは、日本で開発された新技術、新素材の利用による省エネルギーの実現について、一つの例を述べました。省エネルギーの実現は現代の建設業界の大きな課題の一つです。特に都市部では、エネルギー効率の高い建物や環境負荷の低減を目指す設計や技術の導入が進められています。
断熱性、気密性、耐震性、耐久性、建物の性能は様々ですが、現代の建築にはすべての性能がなくてはならないものになりました。建材の性能を高め、作業効率を上げることで、持続可能でエネルギー効率の高い建物を維持していく必要があります。これらの高性能建築の普及のために、国を挙げて推し進められているのが建設DXです。
今、日本では、住宅需要が非常に高くなっています。新築住宅やマンションの建設プロジェクトが進み、特に都市部では商業施設の開発も同時に進んでいます。大型ショッピングモールの建設や、既存の百貨店のリニューアル工事、同時にオフィスビルも整備されています。
こういった再開発で顕著なのは、高層マンションや集合住宅と生活に欠かせない商業施設を併設する、複合型プロジェクトが各地で実現していることです。
これらのプロジェクトは、「新たな国内需要の発掘を実現する施策として、これまでとは異なる新たな商業施設開発と“働く人と企業の成長を支えるオフィス”を融合する事業フォーマットの構築。」そして、「人々にとって、安らぎをもたらす取り組み、身も心もくつろげる時間を通して、心地よさ、充実感、前向きな気持ちになれる、地域のウェルビーイング*拠点を目指す。」としています。
* ”ウェルビーイング”については、後のブログでお伝えしていきます。
生活を豊かに、便利にするだけでなく、そこに暮らす人々の、充実感、充足感のある生活を後押しする、現代の建築にはそんな役割も求められているのではないでしょうか。
住宅の供給に伴い、 高速道路、鉄道、橋、トンネルなどの交通インフラの再整備や改修が必要になっています。今やETCの利用は全体の9割を超え、当たり前のシステムになっていますし、渋滞検知や、渋滞予測もセンサー、システム技術の向上により、より早く正確な情報が提供されるように日々進化しています。
また、都市部の人口の再増加に伴い、教育環境の改善が急速に進められています。学校設備の充実を求めて、教室内の空調設備を調えたり、運動施設の改修などが進められています。学校内のICT環境の充実は、様々な教育環境に対応していくために必要不可欠なツールを提供しています。これによって長年の課題とされてきた日本の外国語教育にも、”遠隔地との交流学習” や ”デジタル教科書”の導入で効果的な学習ができるなど、新たな学習の機会を生んでいます。
とはいえ、教育環境の改善スピードと、実生活のシステム化には今だ差があり、最近は、”水道の蛇口が開けられない”だとか、”トイレは自動で流れるもの”という家庭生活とのギャップの対応に悩む学校もあるようですが、総じて言えることは、一般的な住環境設備が、環境や地域に配慮して再構築されているように、学校設備も環境への関り、地域への関りを課題として重視しているということです。
建設技術の向上によって環境改善がなされ、私たちは豊かで充実した日常生活を送ることができています。こうした環境を提供してくれている建設業の方々の労働環境の改善もデジタル改革の課題として考えていかなければならないのではないでしょうか。労働時間の適正化、スキルアップや人材の育成、そこで働く人々の健康維持にも建設DXの取り入れ方、DXの重要性が注目されています。