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建設業界におけるDXの取り組みは、業界全体の効率性・生産性・品質および安全性の向上を目指し近年、国を挙げて推し進められている取り組みです。
この回では「建設業DX」のいくつかを例を挙げてお話しします。
建設業においては、設計から施工・現場での作業の段階まで、3D、建築情報モデリング(BIM)、仮想現実(VR)、ドローン、センサー、自動化機器などのデジタルツールと技術が活用されています。これらのツールと技術は、建設プロセスの可視化、効率化、品質管理の向上に役立てられ、大きくは安全面などの労働環境の改善につながっています。
プロジェクト管理ソフトやクラウドの活用により、スケジュール管理、タスク管理、データ管理、現場管理の効率化が可能になります。
例えば、これまで従業員の方々への業務連絡をExcelファイルをPDFにしてメールで送信していたり、ホワイトボードに書き込んだ工事日程の画像や、現場の写真を送りあっていて、やり取りに時間がかかってしまったり、一方的な連絡になってしまってはいませんか? また、業務のデータを一人しか閲覧できないといった問題も考えられます。システムなら、特定の人が特定のデータにのみアクセスできるように管理できるので、オフィス業務を安心して分担することもできます。
また、過去の案件を参考にしたいけれど、いざとなると探し出すのに時間と手間がかかるといった問題も起こりえますね。システム上で管理すれば、案件の検索機能から、一連のデータが紐づいて表示されますから、一つ一つ台帳を開いて確認する必要がなくなります。
ほかにも、PCにあるデータで案件の工程管理をしようとしても、その情報がいつの時点のデータなのかが分かりづらくて、結局電話で確認するといったこれまでの作業効率の低さも、クラウド管理システムを使うことによって解決できるでしょう。同様に、協力業者様とのやり取りにも応用することができますので、相互にクラウド上で案件の確認をすることで、スピーディー且つ、正確な情報を管理をすることができます。
センサーやIoTデバイスからのデータ収集と分析により、施工現場の監視、設備のメンテナンス、リスク管理の向上が期待できます。さらに、過去のデータと機械学習を組み合わせることで、将来のリスクや危険の予測が可能となります。
現在、建設業界では、人材の確保、育成が課題となっています。これまで、職人さんから職人さんへ口伝えで受け継がれてきた仕事のノウハウも、時代の流れとともに伝わりにくくなっていると感じていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。過去の案件のデータを集積して、情報として生かしていくためには、今、現役世代の方が、10年後、20年後を見据えて、データをデジタル化し、後進に残していっていただくことが大切になってきます。
モジュラー建築やプレハブ建築は、建設プロセスの効率化とスピードアップを実現するための取り組みです。デジタル技術を活用して、製造工程や組み立て工程を改善し、建築物の品質と生産性を向上させます。
非常に短い工期で工事が完了することから、近年の都市部再開発、マンション建築や、会社社屋の建築には多く用いられています。こうして作業負担を軽減することで、建設業の企業様の中にも週休2日制を実現しているところも増えています。
AI技術を活用して、建設プロジェクトの設計最適化、施工プロセスの自動化、欠陥や問題の検出などを行います。例えば、AIを使用した画像認識やセンサーデータの分析により、品質管理や安全管理を強化することができます。
長年のお仕事の勘や経験をもってしても、現場作業中にトラブルが起きることは避けられないことでしょう。センサーによって数値を確認できたり、気象予報も綿密になっています。その時の情報で人間が判断するだけでなく、長年の情報をデータ化して、蓄積した膨大なものをAIが学習すれば、ミスやトラブルをもっと高い確率で、未然に防ぐことができるでしょう。
様々な角度から、建設業におけるDX化についてお話ししました。これらの取り組みにより、建設業界では「プロジェクトの効率性向上」「品質管理の向上」「作業労力の削減」「安全性の向上」などが期待されます。
ただし、DXの導入には適切な計画や、データセキュリティなどの側面も考慮する必要がありますので、専門のIT企業へ相談し、使いやすいシステム設計を依頼したり、データ管理などの作業負担を増やさないようプロジェクトを移行し、システムの導入ができるようにしましょう。