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これまで当ブログでは、日本国内の建設事情や、現在の需要、省エネルギー対応(SDG’s)などについて述べてきました。今回は少し視点を変えて、海外の建設事情についてお伝えします。
中国は、経済成長に伴い、建設業界において世界最大の市場として知られています。急速な都市化やインフラの需要増加により、大規模な建設プロジェクトが進行しました。様々な機関がデータの収集、分析を行っていますが、なかでも中国の建設需要は、製造業の大ブームに牽引されていることは周知の事実でしょう。
近年、世界最大の建築市場を持っており、世界のすべての建設投資の20%を占めていると言われています。そしてそれは今現在も成長経済段階にあり、中国は2030年までに建物に13兆米ドル近くを費やすと予想されています。*1 しかし、リーマン・ショック後から続いた中国の建設機械需要が、コロナ禍によって歯止めがかかり、日本の建機企業は中国から北米や東南アジアへ目を向け始めています。*2
*1 出展:中国の建設市場 – 成長,トレンド,COVID-19 の影響,および予測 (2023~2028年) © 2023. All Rights Reserved to Mordor Intelligence.
*2 参照:「建設機械」縮む中国市場、工場余剰どうする?2022年12月31日ビジネス・経済 © 2022 NIKKAN KOGYO SHIMBUN, LTD.
アメリカは、建設業界において世界有数の大国であり、多様な建築プロジェクトが進んでいます。建設市場規模は日本のおよそ2倍以上の水準で、特に高層ビルやインフラ整備などが注目されています。
アメリカの建設業は非常に大きな産業であり、多くの企業や労働者が関わっています。 住宅、商業施設、公共施設などの建物やインフラストラクチャーの建設および改修に関わる様々な建設需要があります。実はアメリカの建設業界には、日本のようなゼネコンは少なく、建築家、エンジニア、設計士、施工管理技士など様々な専門家や技術を持つ人々が個々に関わりあって建設業を支えています。電気工学、機械工学、環境工学などの専門知識も必要とされます。
また、建設業はアメリカ経済において重要な役割を果たしており、多くの雇用を生み出しています。更には、建設プロジェクトの実施により、地域経済の活性化やインフラストラクチャーの近代化も進んでいます。アメリカの建設業は、工期よりも労働者の権利や、労働環境の維持、安全面が重視されています。企業ごとではなく、労働者自身が各専門分野の労働組合に加入し、一定の労働条件で勤務しています。そうすることで、職種ごとの研修プログラムに参加したり、スキルアップができるので、結果的に日本よりも短い工期で工事が完了するといったことにつながります。
アメリカの建設業は、技術革新や効率化の取り組みも進んでいます。デジタル技術の活用や建設プロジェクトの管理・監督のためのソフトウェアツールの開発は先のブログで述べたとおりです。
インドは人口の急増と都市化の進展により、建設業界が急成長しています。国連の調査によると、インド国内経済に占める建設業の割合は、中国よりも高い傾向にあります。住宅、商業施設、インフラなどの需要が高まっており、大規模なプロジェクトが進行しています。
日本は建設技術の高度化とインフラ整備の先進国です。高速鉄道や地下鉄、道路、橋などの交通インフラや、防災・防犯施設などの建設が盛んに行われています。
ドイツは、建設技術の革新や環境への配慮において先進的な国です。高性能な建設機械の開発は有名ですね。エネルギー効率の高い建物や持続可能な都市開発に力を入れており、環境に配慮した建築が進行しています。
カナダは、広大な土地と自然環境を活かした建設プロジェクトが行われています。特にエネルギー関連のプロジェクトや持続可能な建築に注力しています。
これらの国々は、建設業界において技術革新や持続可能性の追求などでリーダーシップを発揮し、世界的な影響力を持っています。ただし、建設業界は地域ごとに特性が異なるため、各国の特色や重要性は異なる場合があります。
しかしどの国においても、資源の使用を極力抑え、リサイクル部品など建材の再利用を促しています。廃棄物の最小化、森林の持続可能な管理による木材の利用などが話題です。そして、実際の建築においては、建物自体の寿命を長くすることに力を入れている企業様も増えているのではないでしょうか。メンテナンスの効率にも影響しますし、その必要性を減らすことを目指して日々開発されていいます。
このように、様々な国で省エネやクリーンエネルギーに力を入れた建設プロジェクトが進行し、それと共にデジタル技術を取り入れていることが分かります。高性能建築の実現、持続可能な建設業のあり方を考えた時、DX化は今後、大企業だけでなく、建設業全体においてなくてはならないプロセスになるのではないでしょうか。
次回は日本や世界に置けるグリーンビルディングの取り組みについてお伝えします。