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前回は、今世界中で取り組まれているSDG’sの中で、建設に関する新しいプロジェクト“グリーンビルディング” について、設備投資や経済効果の観点からお話ししました。
今回は、実際の建築におけるサステナブル建築、ZEBやZEHについて、またそれらがもたらすウェルビーイングについてお伝えしていきます。
建設業におけるSDG’sとして「サステナブル建築」という言葉が一般的になってきました。サステナブル建築とは、環境や地域に配慮し、生態系を守りながら耐久性に優れた建築物を構築し、かつ長期にわたって利用し続けられる建物のことを指します。それには、設計段階から施工、建築物として運用するまでのすべての段階が含まれます。
そのサステナブル建築の中で、官公庁などの総合庁舎や、商業施設、会社社屋など、大型施設を指す言葉をZEB、個人商店や一般向け住宅に取り入れられるものをZEHといいます。
ZEB:Net Zero Energy Building(ネット・ゼロエネルギー・ビル)の略で、通称ゼブと呼ばれています。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。
従来の建物で必要な照明設備や、トイレの排水などをまず省エネにし、太陽光エネルギー、バイオエネルギー、風力発電などの再生可能なエネルギー源を活用し、建物自体が必要なエネルギーを自給できるように設計されています。
ZEH:Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、通称ゼッチと呼ばれています。一般住宅向けのエネルギーシステムで、ZEH住宅は、太陽光発電による電力創出・省エネルギー設備の導入・外壁の高断熱素材利用などにより、生活で消費するエネルギーよりも生み出すエネルギーが上回る住宅を指します。この設備を省エネ、創エネという言葉で表すことも一般的になってきています。
また、ZEHは戸建て住宅への普及を目的に開発が進められてきましたが、現在では分譲・賃貸の集合住宅でも普及が進められています。ZEHの要件を満たす集合住宅はZEH-M(ゼッチ・マンション)と称されています。
昔から、天窓の設置や、換気効率のよい設計、グリーンカーテンなど、様々な生活の知恵によって、人間は住環境の最適化を実現してきました。現在は、建築技術の向上、建材の多様化によって様々な再生可能エネルギー設備が確立しつつあります。そしてそれを一般家庭にも導入でき、個人がシステムで管理する時代です。
それには、それぞれの設備を管理するためのシステムをどう選択するかも重要です。今や、家庭用の管理システムで、エネルギーの収支をリアルタイムで確認でき、外出先からもスマホでIoT家電を操作して、生活空間を常に快適に保てる時代です。設備やシステムへの初期投資は必要ですが、今は国からの補助金の利用や、売電によって個人負担を低減することができます。そして長期優良住宅として、資産価値も上がることでしょう。
もう一つの建築における重要な役割として防災に対する設備が重要ですね。現代では防犯意識の向上や耐震性、災害対策なども設計・施工の重要なポイントになっています。防災に対する建設業の取り組みについても、今後のブログでお伝えする予定です。
住環境がより高性能になり、かつ便利なシステムによって整えば、それによってもたらされる健康効果も見えてくるでしょう。スマートウォッチの普及で日常的に健康データを取れたり、日常生活の中で健康チェックができるシステムが日々開発されています。
時代とともに建築に変化がもたらされ、それと密接に関わる健康についての考え方も変ってきています。次回は建築と健康の関りについてお伝えしていきます。